【そこ糸】「編み物工房Felice」momoさんの場合【編み物好きさんインタビュー】

【連載】そこに糸があるから

編み物好きさんにインタビューして、編み物をどう楽しんでいるのかを伺う企画「そこに糸があるから」。今回は「編み物工房Felice」momoさんにお話をお伺いしました!

地域のイベントで出展されていたあみぐるみに一目惚れ

人型や生物科学のモチーフのあみぐるみを制作されている「編み物工房Felice」のmomoさん。現在開催されているあみぐるみコレクションにも参加されています。

-人生で一番初めに編み物に触れたのはいつですか?

小学校の手芸クラブで棒針編みのマフラーを編んだのが一番はじめです。元々幼い頃から手作業が好きで、紙工作などをしていたので、手芸クラブに興味を持って入部しました。
母が主にミシンをする手芸好きだったので、当時目の拾い方などを母に習ったのをよく覚えています。

-棒針編みが一番はじめだったんですね!かぎ針編みはいつ始められたんですか?

それがあまり覚えていないんです。ちゃんとやろうと思って始めたのは3~4年前です。あみぐるみを編もうと思って。
そのときすっとできたので、多分その前にどこかでやってたと思うんですけど、記憶にないです。

-なるほど。あみぐるみを編もうと思ったきっかけはあったんですか?

地域のハンドメイドイベントであみぐるみを出展されている方がいて、そのあみぐるみに一目惚れしたんです。それが3~4年前のことです。
とってもかわいくて、かぎ針でこんなかわいいものが作れるんだ!私も作りたい!と思いました!

-結構最近なんですね!それまでは編み物は全然しなかったですか?

手芸自体はずっとしていたのですが、編み物は全然でしたね。
高校の頃に一度棒針編みで手袋のキットに挑戦したんですが途中で挫折してしまい……。それから棒針編みには苦手意識がとてもあります。
大学の頃はクロスステッチにすごくハマっていました。作業自体は×を作っていくだけの単純なものなのに、完成して全体で見ると絵画のように美しい模様になるのが好きで、額装して飾ってまた嬉しい気持ちになって、と楽しんでいました。

”自分らしさ”を表現できるのがあみぐるみ

-今はオリジナルの作品を販売されていますが、最初からオリジナルで作品作りをされていたんですか?

いえ、最初は図書館で借りた本を見て、まずは丸をきれいに編むところからはじめました。
はじめてから1年位経った頃に、「こうしたらもっときれいになるんじゃないか」、と徐々に自分なりにアレンジを加えはじめました。
そのうち「自分らしさをあみぐるみで表現したい!」と思うようになり、今に至ります。

-生物化学のモチーフを編もうと思ったきっかけはあったんですか?

元々大学が農学部で、現在バイオ系の研究室に勤めているので、生物化学は私にとってとても身近なものなんです。同じように生物化学が好きな人の興味に引っかかればいいな、と思って編みはじめました。

momoさんの赤血球のモチーフ

ミトコンドリアのモチーフ。生物好きのmomoさんだからこそ編める作品。

-あみぐるみを編まれるうえで気をつけていることはなにかありますか?

自分の中での「かわいい」が第一です!
編んでいると思わぬハプニングってあるじゃないですか。 それでも、その子その子がかわいく仕上がるように、シルエットや手の付け方など、ひとつひとつ微調整しています。

ひとりひとり丁寧に作られているのが伝わってきます

momoさんおすすめの糸と針

-おすすめの糸はありますか?

ごしょうさんのコットンニィートSを好んで使っています。
最初はあみぐるみを編むのにアクリルの毛糸で編んでいたのですが、キーホルダーとの接続部分が伸びてしまうのが切なくて、コットン糸でしっかり編むようにしています。
こどもが口に入れても気兼ねなく洗える、というのも大きいですね。
冬になるともけもけの冬糸で編まれる方も多いですが、私は夏も冬も季節を問わずにコットン糸で編んでいます。

あとは糸ではないですが、セリアの手芸綿がとても良いです!50g入りで税別100円なので、小さいあみぐるみを編んでいる私には丁度いいサイズで、小さくちぎってもホコリが出ないんです!おすすめです。

-おすすめの針はありますか?

特にこだわりなく100均の針やメーカーものの針などなんでも使っています。
自分が気にせず使える、というのもあるのですが、こどもに「これ貸して!」と言われても気兼ねなく貸せるように、というのが大きいです。
一度こどもにかじられてだめになってしまった針があったので、自分がそれを気にしないように、という感じですね。

「ちょっと幸せになれるもの」を届けたい

-編み物をしていて一番楽しいのはどんなときですか?

完成させたときが一番嬉しいです!
あみぐるみはまず顔と手と胴体と……とパーツを編んで、組み立てていくのですが、全部組み立て終わって最後に目や頬を入れて可愛く仕上がった瞬間が一番です。

-作品を通じて、伝えたいことはありますか?

「編み工房Felice」の”Felice”はイタリア語で「ハッピー」の意味で、手にとってくれた方がちょっと幸せな気持ちになれるものを作りたい、と思って名付けました。
だから、私のあみぐるみをお迎えしてくださった方がちょっとハッピーになってくれたらな、と思います。

-今後どのように活動していきたいですか?

もうすぐあみぐるみコレクションが終わってしまうので、今後はminneの販売に注力したいと考えています。
あとはハンドメイドイベントなどの対面で販売できるイベント出展もしてみたいです!あみぐるみコレクションは、作品だけが全国各地を旅しているので、実際にお客さんとお話しながら販売をしてみたいです。でも人見知りなので多分緊張してしまうと思います笑
それを乗り越えるのが今後の課題ですね!

現在(2019年12月16日)は北海道で展示販売されているmomoさんの作品たち

編みものは最初の取っ掛かりが一番躊躇するものだと思います。「編んでみたいな」と少しでも迷っている方がいたら、「針と糸さえあれば簡単にはじめられるよ!」と伝えたいです。
私の作品を通じて、私と同じように「丸でも編んでみようかな?」と思ってくれる人がいればいいなと思います。また、編みもの好きの方に”生物化学の魅力”を、生物化学に興味がある人に”編みものの魅力”を、伝えていきたいと思います!

-いいお話をありがとうございました!最後にあなたは何故編むのですか?

あ、えーと……。

-いいとも!的なノリでお願いします!

あ!「そこに糸があるから」、です!!

-ありがとうございました!!

「編み物工房Felice」momoさんプロフィール

生物化学にまつわるあみぐるみと編み雑貨をメインとした作家活動をしている。
現在あみぐるみコレクションに参加中。

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